株式会社商工中金情報システム RECRUTING SITE株式会社商工中金情報システム RECRUTING SITE

中島 秀記

PROFILE

商工中金 執行役員中島 秀記(なかじま ひでき)

デジタル戦略部長
兼 ビジネス基盤事業室長

特別インタビュー

金融ITの力で
日本を変化に強くする。〜商工中金とSCSが実現していきたい、
これからの社会の姿〜

研修出向先の1つとなっている商工中金デジタル戦略部。
その責任者である中島氏にプロジェクトの取り組みや背景、課題や今後の展望について語っていただきました。

デジタル戦略部とは

デジタル技術やデータを活用した中小企業への新たな価値提供、
商工中金グループのデジタルシフトを推進する部署です。

商工中金のDX戦略。
研修出向で切り開く新たな道。

研修出向の目的と取り組みについて教えてください。

まず、デジタル戦略部の取組みからご説明しますと、IT技術の進展、社会の一層のデジタル化に伴い、商工中金ではDXによる企業変革にデジタル戦略部が中心となって進めてきました。主には2つの大きなプロジェクトを数年前よりスタートしており、一つ目が内外の情報を蓄積し、AI等の新たな技術も活用したデータの利活用を進めるプロジェクト、二つ目が、お客さまの接点をはじめデジタル起点のビジネス基盤提供を促進しつつ、自らの顧客情報・渉外管理システムの高度化を図るプロジェクトです。

データ利活用は金融機関の競争力に不可欠ですが、商工中金には中小企業の財務情報など膨大なデータが蓄積されている一方、利活用に向けた取組みはこれからの状況でした。このデータ活用には、データの収集、整理、管理するための基盤の整備、データの取扱いなど、どの領域においても不可欠で、こういった根幹部分について、SCSからの出向いただいた人材とともにゼロベースで一緒になって作り上げてきたところです。その後、我々もキャリア採用を強化しインテリジェンス室創設に至るなど、体制拡充に強化も含めて順調に進んでいますが、技術の進展は急速に進んでおり終わりはありません。今後ともSCSから出向いただいて、グループ一体となってデータ利活用プロジェクトのさらなる高みを目指して、一緒に相互に高めあっていきたいと考えております。

もうひとつの出向としては、二つ目に掲げたプロジェクトの参画を通じて、顧客接点・体験の改革、渉外活動の改革にデジタル戦略部やそのほかの本部主管部と一緒に取り組んでいくものです。2024年4月に本格稼働したポータルサイト「Bizリンク」では、お客さまがデジタル基盤上で「いつでも、どこでも、迅速に」サービスを利用いただくものであり、お客さまのデジタル体験をいかに向上させるかが重要となります。そのため開発手法としては、ウォーターフォール型の開発とは異なり、お客さまの声や利用状況を把握しながら迅速なリリースと柔軟な仕様変更などの対応していくアジャイル開発を志向しています。また、渉外活動のシステム変革も同じクラウド基盤で一体提供しており、当金庫の戦略上重要なシステムとしても関わっていただいています。

以上、デジタル戦略部の出向は、よりユーザーに近いところで、様々な人と協働することによって一緒に創り上げていく喜びと刺激、そして技術的な専門性を高め、成長していく大きな機会になっていると確信しています。

SCS社員の活躍ぶりはいかがですか?

まず仕事に対する正確さ、確認を徹底する姿勢には目を見張るものがあります。これも社会のインフラである金融システムを信頼性のあるレベルまで長年開発保守運用で培ってきたことによるものだと認識しています。また、エンジニア目線からの技術知識、開発経験を活かした専門的意見は、創り上げていく中で技術の力を活かしたスピード感を持った検討が可能になります。どうしても金融機関の社員だけではIT技術の活用で問題や課題が解決可能かどうかすらも見えないことが多々あります。そうした中、SCS社員の方と新しい技術の適用の可能性、予算、実現可能時期などを踏まえてシステム構築を検討できますから、非常に大きなメリットだと感じています。システムは稼働すればよいというものではなく、現場やお客さまの声を聞きながらアジリティある開発を進めていくことが今後ますます必要になります。例えば、先に上げた「Bizリンク」ではお客さまの経営課題の解決につながる情報提供コンテンツをアップしていますが、そのコンテンツがお客さまにとって有益だったかどうか、アクセス数はどうだったかなど、常に検証しながら、次回はどういったコンテンツがいいのか、サイト内の顧客体験を検証し、スピーディに改修に取り組んでいくことが必要になります。まさに開発担当と運用担当が密に連携してITサービス提供を高めるDevOpsということに加えて、ここではデジタル戦略部、業務主管部を交えたBizDevOpsがここでは行われており、SCSさんの参画、協力が不可欠になっています。
基盤となるシステムの安定稼働に加えて、次世代の金融・情報サービスの実現を果たしていく「デジタルパートナー」として、欠かせない存在です。最新技術を駆使したDXの推進を今後も一緒に取り組んでいけたらと考えています。

今後の展望についてお聞かせください。

これからの新しい世界を一緒に創り上げていきたいですね。ただ、変化が変化を呼ぶ時代の中では、何が正解なのか予め答えがわかるというのはほとんどありません。私は商工中金一筋、根っからの銀行員なのでITやデジタル領域というのはこれまで触れてきませんでした。正直、今でもわからないことが多いです。だからこそ、今必要とされているDXによる変革をSCSのプロの皆さんと一緒になって考えていくことを強く願っています。

日本は企業数の99.7%が中小企業。まさに商工中金のメインターゲットはこの中小企業で、我々の株主である組合の構成員数は200万社もいらっしゃいます。日本経済が人口減少など構造的な変化の中、経済を強くしていくためには中小企業の存在が不可欠です。当金庫の安定的なシステムを中小企業の皆様に利用いただきつつ、AIやデジタルの力で、中小企業のより良い経営に向けて我々がサポートをしていくという社会的責任が商工中金グループにはあると考えています。まさに、パーパスとして掲げている「企業の未来を支えていく。日本を変化につよくする。」を今まで以上に体現すべくSCSさんとともに機関車となって牽引していきたいです。

金融×ITの可能性を追求し、
ともに成長し続ける。

最後にSCSの方々へ
メッセージをお願いします。

まずは、技術や可能性をとことん追求していただきたいと思います。
私がデジタル戦略部へ配属された際、ITについてそこまで深い知識は持ち合わせていませんでした。それでも自分なりに勉強したのを覚えていますが、素直に「ITの世界ってめちゃくちゃ面白いっ!」と感じましたね。これからの世の中は掛け算やべき乗の世界だと私は考えていて、1+1=2ではなく、アイディアや工夫次第でその影響は何千何万にも波及する指数関数的な世界、それがITの魅力であると思います。そういった分野を志向される方々は学生の皆さんの間でも目利き力が高い方だなと思います。せっかくこの業界を目指されるのであれば、知識の向上や技術習得によって世の中を変えたい、変えられるんだという気概をもって、自らの可能性を追求し続けてほしいと思います。

2つ目はITを通じて社会に貢献するということです。
まさに「金融×IT」は世の中を変革していく近道のひとつだと思っています。昨今、様々な社会課題がありますが、解決するためにはお金の力が必要です。金融機関として、どのようにアプローチしていくのかを考えたとき、ITとの掛け算こそが素晴らしい答えを生み出してくれると確信しています。とりわけ商工中金は数ある金融機関の中でも中小企業に特化した全国のネットワークを有する極めてユニークな金融機関ですから社会に対して貢献できることがたくさんあると思います。IT部分を専門的に担っていただくSCSの役割は今後いっそう大きなものになっていくでしょう。

最後にこれから社会人として歩まれる皆さんに向けては、変化を恐れず前進することで成長し続けてほしいと思います。私は常々「変化とは、常態」であると思っています。世の中は変わりますし、お客さまも変わっていきます。商工中金も変わりますし、SCSさんも変わります。生物として生きる個人も毎日変化をしています。その変化に自ら気づき、他者、社会の関わりの中で、個人として変わっていこう、それが個人の成長につながり、会社全体の成長につながっていくと思います。それが社会に認められる、そういった循環ができる土壌が商工中金、SCSにあります。ぜひ、若い皆さんと一緒になってともに歩んでいけることを楽しみにしています。

研修出向を終えたSCS社員の感想

これからの業務に活かします!
S.R.さん

戦略系アプリ開発部

S.R.さん

文系 2015年入社

デジタル戦略部への出向期間
2022年1月~2024年9月

未経験からのステップアップ。ー出向経験から得たスキルと展望ー

出向先のデジタル戦略部では①データ利活案件②Salesforceプラットフォームを用いたCRM/SFA、法人ポータルシステムの導入案件に参画しました。
①では主管部ニーズに基づきBIツール(Tableau)での当庫データの可視化分析を提供する業務に取り組みました。②ではSCS社への内製保守移管を見据え、Salesforce知識習得と当該システム照会業務に参画しました。
いずれも未経験の分野でしたのでとても勉強になりました。出向先によって獲得できるスキルや経験は異なると思いますが、最新技術へのキャッチアップを広く奨励する当部への出向は自身のキャリアプランにマッチしており有意義な出向期間でした。
出向解除後も前述の業務関連を引き続きSCS社として担当しますので、出向経験を活かし円滑に推進していきたいと思います。

不安もありましたが多くの学びがありました!
T.S.さん

戦略系アプリ開発部

T.S.さん

文系 2017年入社

デジタル戦略部への出向期間
2023年10月〜2024年12月

出向で広がる新たなデジタル領域の視野。ーTableauやSalesforceで築いた実践力ー

出向先ではインテリジェンス室に配属となり、主にデータ利活用の業務を担当しておりました。営業活動見える化・キャンペーン回顧の月次作業のほか、Tableau Serverのアカウント管理も行っておりました。SCSとは全く違う環境のため、コミュニケーションの取り方や仕事の仕方など参考になることが多く、大変勉強になりました。またインテリジェンス室内で実施していたアジャイル開発を、実際に経験できたのも良かったです。最初は分からないことも多く、インテリジェンス室の方との信頼関係の構築にも、慣れるまでは苦労しました。
出向を通じて、TableauやPythonの基本的な使い方を学んだり、Redmineを使用しながらアジャイル開発の方法を習得しました。
今後は、出向先で学んだことを活かして、SCSでのTableau導入に貢献できたらと思います。